初心者が独学でタイ語の日常会話レベルを目指す勉強法

タイ語学習の始め方

僕がタイ語の勉強を始めたのはタイに渡って1年後でした。

それまでは、

  • サワディーカップ「こんにちは」
  • コップンカップ「ありがとう」
  • インディーティーダイルーチャック「はじめまして」

といったあいさつを呪文のように唱えていました。

こんな感じでタイ語は使わず生活してましたが、「もっとタイにいたいし、タイ語も勉強しようかな」と思い、タイ語の勉強を始めました。

そこから独学で勉強し、今では職場のタイ人と仕事の話や世間話ができるようになり、最終的にタイ語ブログを立ち上げるまでになりました。

タイで長く暮らす予定の方はもちろん、タイ旅行が好きだという方も、タイ語ができると便利ですし世界が広がります。

今回は初心者の方向けにタイ語学習の始め方を紹介します。

ただし、勉強の目標や目的によってゴールも変わってくるため、今回は『日常会話が話せるようになるまでの勉強法』をご紹介します。

目次

初心者が独学でタイ語の日常会話レベルを目指す勉強法

成績

おすすめの勉強手順は以下の通りです。

  1. 発音を理解する
  2. 単語と文法を勉強する
  3. タイ語を聞く

ステップごとに説明します。

発音を理解する

タイ語の勉強は発音から理解していくことをおすすめします。

特に声調を理解することがタイ語学習のファーストステップです。

声調は音の抑揚を指し、音の上げ下げが正しくないと意味が通じなかったり違う意味のことばになってしまいます。

突然ですが、普段の会話のトーンで「マー」と言ってみてください。

その「マー」はタイ語で มา maa マー「来る」という単語です。

次はけんか腰で「はぁ?」という抑揚で「マー」と言ってみてください。

その「マー」はタイ語で หมา mǎa マー「犬」という単語です。

これが声調です。そして2つの単語の文字と発音記号に注目していただきたいのですが、

มา ma ②หมา mǎa

文字も発音記号も異なります。そのため区別がつき正しい発音を行うことができます。

ではカタカナ表記はどうでしょう?

①「マー」  ②「マー」

両方同じ表記です。これでは区別がつかず正しい発音ができません。

まずは発音記号を読み、発音を理解することから始めます。

タイ語の声調の種類は以下の通りです。

声調声調記号発音記号特徴
平声なしaa普段話すときの音の高さで抑揚はつけずに発音する。
低声àa低い音から若干尻下がりに発音する。
下声âa高い音から下げて発音する。
高声áa少し高い音から尻上がりに発音する。
上声ǎa低い音から若干尻上がりに発音する。

まずはこのタイ語の声調を理解します。

次に子音の発音と母音の発音を練習していきますが、日本語にない音(有気音,無気音,声門音など)があります。

これらの発音も正しく発音できないと声調のように意味が伝わらなかったり、別の意味になってしまいます。

ただし、これらの発音を短い期間で習得することは難しいため、どのような音になるかが理解できれば次のステップに進んでください。

ここにこだわりすぎると挫折してしまう恐れがあります。

単語と文法を勉強する

次に単語と文法、両方を並行して勉強していきます。

この際、単語と文法を両方学べるテキストがおすすめです。

僕の場合は『世界一わかりやすい!一夜漬けタイ語 ― 』というテキストで勉強しました。

文法の必要性

単語だけでいいのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、文法はピラミッドの土台のようなもので、これがなければ会話の中で文を組み立てることができません。

会話ができるようになるために文を作る勉強もしていくべきです。

ここで文法の基本ルールを簡単に解説します。

ฉันเรียนภาษาไทยทุกวัน
chǎn rian phaasǎa thay thúk wan
チャン リアン パーサー タイ トゥック ワン

わたしは毎日タイ語を勉強します。

単語ごとに分けると・・・

ฉัน/เรียน/ภาษาไทย/ทุกวัน
chǎn/ rian/phaasǎa thay/ thúk wan
チャン/リアン /パーサー タイ /トゥック ワン

わたし/勉強する/タイ語/毎日

このように基本的なタイ語の語順は

  1. 主語
  2. 動詞
  3. 目的語
  4. その他の情報(場所や日時など)

このように前から後ろにかけて情報を付け足していく形です。

語順が日本語と逆なのでつい日本語のように後ろから訳してしまいますが、それではタイ語が上達しません。

なぜなら一度頭の中で整理して理解する形になってしまうからです。

実際の会話では頭の中で整理している時間はありません。

そのため「わたし/勉強する/タイ語/毎日」のように前からタイ語を理解していくことが必要で、これを初心者の段階から意識して勉強することをおすすめします。

ฉันไม่เรียนภาษาไทยทุกวัน
chǎn mây rian phaasǎa thay thúk wan
チャン マイ リアン パーサー タイ トゥックワン

わたしは毎日タイ語を勉強しません。

否定文の場合は動詞の前にไม่ mây マイ「~ない」を付けます。

しかし、例外もあります。

例えば「~できない」という場合は、ไม่ได้ mây dâay マイ ダーイ 「~できない」を使いますが、

ฉันเรียนภาษาไทยทุกวันไม่ได้
chǎn rian phaasǎa thay thúk wan mây dâay
チャン マイ リアン パーサー タイ トゥック ワン マイ ダーイ

わたしは毎日タイ語を勉強できません。

このように動詞または文の後にไม่ได้ mây dâay マイ ダーイ 「~できない」が来る形になるため、例外もあると覚えておいてください。

คุณเรียนภาษาไทยทุกวันไหม
khun rian phaasǎa thay thúk wan máy
クン リアン パーサー タイ トゥック ワン マイ

あなたは毎日タイ語を勉強しますか。

疑問文の場合は文の後ろにไหม máy マイ「~か?」をつけます。

これは日本語の「です」「ます」の後ろに「か」を付けて、「ですか」「ますか」とする仕組みと同じなので、日本人には理解しやすいと思います。

まとめると、

  • 否定文は ไม่ mây マイ(動詞の前につける)
  • 疑問文は ไหม máy マイ(文の後ろにつける)

このようになります。

発音にも再度注目していただきたいのですが、タイ文字や発音記号をみれば、2つの発音が異なることが分かります。

しかし、カタカナ表記には「マイ」と「マイ」となっているので違いが分かりません。

やはりタイ語の勉強では発音への理解が必要不可欠です。

単語の覚え方

単語の覚え方にもポイントがあります。

それは「試験のため」なのか「日常会話のため」かによって単語の覚え方は異なります。

試験に合格するのが目的なのであれば、単語帳に載っている単語を淡々と覚えていく方法が正しいです。

なぜなら試験では単語を知っていれば知っているほど有利になるためです。

一方、日常会話のための覚え方は「使える単語」を増やすことを目的として行います。

ここでいう「使える単語」とは話したり書いたりできる単語のことを指します。

では、どのように「使える単語」を習得していくかというと、普段から繰り返し使うことで習得できます。

何度もアウトプットすることで記憶に定着し、最終的には意識しなくてもすぐに口から出てくるようになります。

「タイに住んでいたらタイ語ができるようになった」というのは、日常にこのアウトプットする環境があるためです。

毎日の暮らしの中で繰り返し使う単語が「使える単語」として脳に残っていきます。

自宅でできる「使える単語」の勉強法

この勉強法では、自身の習慣や行動をタイ語で話していきます。

例えば、歯を磨くときに 

แปรงฟัน
prɛɛŋ fan 
プレーン ファン

「歯を磨く」

と一週間呟き続けます。

初めは思い出したり脳を使っている感覚がありますが、1週間後は日本語を介さずイメージとして「歯を磨く」という単語が口から出てくるようになると思います。

歯磨き

②の状態になれば、会話で話すときはすぐに口から出てきますし、相手の話もイメージとして入ってくるので、直感的に日本語に訳さずに理解していくことができます。

この能力は会話をする上で重要な能力となります。

タイ語を聞く

「会話」という形にするためには相手の話したことを聞き取れなければ成立しません。

そのためには普段からタイ語を聞いて『タイ語の耳』を作る必要があります。

タイ語の耳を作るには?

『タイ語の耳』はすぐにできるものではなく、タイ語独特の抑揚・リズムに慣れていくことで、徐々に成果として現れます。

ここで重要なのはタイ語ではあれば何を聞いてもいいというわけではなく、自分のレベルにあったものを聞くことが大切です。

初心者に必要なのはたくさん文を聞く『多聴』ではなく、ことばを一語一語聞き取る『静聴』です。

『多聴』は中級レベルで行う勉強であるため、この段階では必要ありません。

おすすめのリスニング教材

初心者の方におすすめなのが単語を覚える段階から音声を聞きながら勉強するということです。

つまり初心者にとって一番いいリスニング教材は『単語の音声が聞ける教材』です。

どんな表現やフレーズを聞き取るにも、一つ一つの単語を聞き取って文全体を理解していきます。

フレーズ集やタイドラマでリスニングすることもよいですが、まずは単語のリスニングを優先してください。

上記の3ステップで日常会話は話せるようになると思います。

勉強ステップ+α

次にその後の勉強の進め方についても紹介します。

文字を覚える

勉強効率だけを考えるのであれば、文字は一番初めに覚えたほうがいいです。

しかし、覚えなければならないルール・不規則なルールが多く、挫折してしまう可能性大です。

僕が初心者だったころを思い返して、初めからタイ文字を挫折せずに勉強できたかは疑問です。

おそらく途中でタイ語が嫌いになっていたと思います。

僕の場合はタイ人とコミュニケーションを取ることが初めの目標だったので、ことばや文法を覚えることに重点を置き、タイ文字は後回しにしました。

後回しにしましたが、最終的にはこうやって読んだり書いたりすることができているので、これはその人の目的や性格に合わせてタイ文字を勉強するタイミングを変えていけばいいと思います。

タイ語検定5級を受けてみる

勉強を続けるモチベーションが上がり、客観的に自分のレベルを知ることができます。

タイ語検定
実用タイ語検定試験5級サンプル問題から抜粋

5級の場合は上記のようにカタカナ表記と発音記号で出題されるためタイ文字が読めなくても大丈夫です。

5級に合格すると次は4級でとなり、4級ではタイ文字を読む必要があるためタイ文字を勉強するモチベーションになるかと思います。

ぜひタイ語検定を受けてみてください。  

初心者におすすめのテキスト

最後に初心者におすすめのテキストをご紹介します。

紹介する前にお話しておきたいのが、初心者向けのテキストは多数出版されていて選択肢が豊富です。

そのため、ネットではなく、書店で自分にあったものを選ぶのが一番かと思います。

今回紹介する本と書店に置かれている本を比べ、気に入ったほうを購入してください。

世界一わかりやすい!一夜漬けタイ語

タイ語の入門テキストで、音声つきでタイ語の基礎について学べます。僕が一番初めに勉強したテキストでもあります。

タイ語の覚え方・使い方

次に僕はこのテキストで初級レベルの語彙と文法を勉強しました。

Book1は語彙中心で、Book2は文法中心です。

先ほどの世界一わかりやすい!一夜漬けタイ語 ― は、初歩の文法や単語しか載っていませんが、こちらはBook1だけでも1739語収録されていて、単語の説明と文法説明もしっかりあり、これから本格的にタイ語を始めていく人におすすめです。

注意点は音声がついていないので、タイ文字と発音記号で勉強していくことになります。

そのためタイ語の基礎を学んだあとの2冊目としておすすめのテキストです。

これでバッチリ!タイ語の重要単語1000

当ブログが作成した基礎単語を学べる音声動画です。

タイ語検定の勉強やタイでの生活の経験から必要な単語だけを選んで収録しました。

また、発音記号やカタカナ読みも付いていて、初心者の方でも気軽に勉強できます。

現在まで視聴回数が20万回を突破し、多くのタイ語学習者さんにご活用いただいている動画となります。

まとめ

タイ語学習の優先順位を紹介してきましたが、もし発音が難しいと感じるのであれば、先に単語や文法を勉強しても構いません。

「発音や文字を覚えてからでないと非効率だ」といった意見もありますが、それらは必要性を感じてから始めても遅くはありません。

『効率』を優先するのではなく、『継続のしやすさ』を優先してください。

今回は以上です。 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

タイ語学習の始め方

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