こんにちは、けいです。
僕は今まで10冊タイ語のテキストを使ってきましたが何周もやったものもあれば、すぐに手放したものもあります。
今回紹介するテキストはその10冊の中で一番やりこんだテキストです。
本記事ではその理由と勉強法について紹介します。
このテキストをおすすめしたい方
- タイ文字が読める方
- タイ語検定4級以上のレベルの方
- 長文が苦手な方
- リスニング力を伸ばしたい方
タイ語中級総合読本の概要
適切な学習者レベル
タイ語検定のレベルでいうと、3級や準2級を受ける方におすすめのテキストです。
本書の構成
1課~25課まであり、1課ごとに1つの長文+語彙・表現の説明+練習問題、さらに1つの会話文+語彙・表現の説明+練習問題の構成となっています。
どんな力が身に付くか
「読む」「書く」「話す」「聞く」といったすべての能力が身に付きます。
CDの有無
全課の長文と会話文の音声が入ったCDが付属しています。
価格
定価3800円
著者(著者紹介ページから引用)
斎藤スワニー
タイ国立チュラーロンコーン大学文学部卒業。
日本文部省留学生として東京外国語大学日本語科で学ぶ。
RADIO JAPAN, NHK国際放送アナウンサーを経て、麗澤大学非常勤講師。
著書「タイ語ことわざ用法辞典」
三上直光
慶応義塾大学名誉教授
著書「タイ語の基礎[増補新版]」
ちなみにこの三上先生の著書「タイ語の基礎」もおすすめで、文法能力や作文能力が鍛えられます。
いいところ・いまいちなところ
いいところ
長文の長さも十分にあり、タイ語検定3級の長文問題と同じくらいの文量ではないでしょうか。
読解テキストのよくあるパターンとして、初めの課は短文で、課が進むにつれて長文になっていくことが多いですが、このテキストは1課から25課まで、ほぼ同じ文量の長文が出題されるため、ボリューミーでやりごたえがあります。
また、会話文も載せてくれているので、タイ語検定の会話文の穴埋め問題や会話表現を勉強するのにも役立ちます。
練習問題が2種類あり、質問に答える問題と日本語文をタイ語に訳す問題があります。
特に日本語訳の問題は作文問題がある準2級を受験する人におすすめの練習問題です。
作文問題を解いて感じることは、書くことだけではなく、文法の定着や構文の理解にも一役買っていると感じます。
いつも文法を勉強するときはインプットが基本ですが、作文問題では自分で文法に気を付けながら書いていく、アウトプットしていくことで文法力がかなりついたと感じました。
語彙や語句のつながりが簡単に理解できるよう、できるだけ直訳で日本語訳がされています。
意訳して日本語文らしくしているテキストもありますが、それだとそのことばの本来の意味などを読み取るのに苦労することがあります。
このテキストはこういった細かいところにも気を配って作られています。
基礎単語以外の単語はしっかりと意味が載ってあります。
なので、辞書を多用せずに読んでいくことができます。
また、読解文の日本語訳も見開きで隣のページに書かれているのでとても見やすいです。
表現の紹介もクオリティーが高く、よく使う表現ばかりを集めて説明しています。
そして、そのあとの練習問題でその表現を使った文の作文問題があり、習った表現の定着を図ることができます。
読む能力だけではなく、書く・聞く・話すなど総合的な能力が鍛えられます。
その総合力を養うための本ということで、「総合読本」というタイトルをつけたそうです。
書く能力は先ほど紹介した作文問題で、聞く能力は音声を聞いて、話す能力は音読やシャドーイングで鍛えることができます。
CD音声も優秀です。
スピードも速すぎず遅すぎ適切なスピードで聴くことができ、リスニングにもシャドーイングにもぴったりだと思います。
また、長文だけではなく会話文のほうにも音声がついているので、音声のほうもボリュームたっぷりです。
読解のテキストだと、読むだけで満足という方もいらっしゃるかもしれませんが、このテキストはCDも多用するとより効果のあるものになります。
ぜひCD音声のほうもたくさん聴いてください。
1課~25課すべてタイについての話です。
タイの地理から始まり、観光やタイ人の性格、タイの教育などタイの色々なことが学べます。
いまいちなところ
発音記号がないのでタイ文字が読めない方にはおすすめできません。
個人的には、長文の場合、発音記号があると文が見づらくなってしまうので、逆になくてよかったと思っています。
ほかのテキストに比べると価格が高く、僕が持っているテキストの中で一番高いです。
ですが、量と質がしっかりしていて何周もできる内容なので、満足度も一番高いです。
個人的な意見ですが、ほかの安いテキストを何冊か揃えるより、このテキストを1冊買って何周も勉強したほうがコストパフォーマンスも高いと思います。
僕自身もこのテキストを注文する前は、購入をためらっていたのですが、いざ使ってみると「なんでもっと早く買わなかったんだ」と後悔しました。
今回の紹介記事で、僕のように「以前からこのテキストを知っているけど、高くて購入するか迷っている」という方の背中を押せたらと思っています。
勉強法
最後にこのテキストを使ったおすすめの勉強法を紹介します。
まず音声から始める理由としては、せっかくすばらしいリスニング教材があるわけなのでそれを生かしたいです。
読むことから始めると内容がわかってしまうので、かなりもったいないと思います。
この貴重な長文リスニング教材で、リスニング力をつけることも意識して勉強に取り組んでみてください。
音声を3回以上聞いて本文の大まかな内容を把握します。
次に本を開いて、本文を読みます。
この際分からないところで止まらず最後まで読みます。
次に分からなかったところは、日本語訳や表現の紹介のところを見て確認します。
知らない単語や表現が多く、ひとつずつ意味を調べたくなるかもしれませんが、ここでは大意を把握する練習をしてみてください。
この大意把握の練習はタイ語検定の長文問題の対策にもなります。
逆に知らない単語ばかりで、全く大意もつかめないという場合には、このテキストをするのは一旦やめて、もう少し語彙力をあげてから再度取り組んだほうがいいかもしれません。
ですが、初めから完璧に分かるわけではないので、半分以上理解できれば十分です。
そのために日本語訳と説明があります。
全体の意味を理解したあとで、もう一度音声を聞きながら意味を確認していきます。
そして、音読またはシャドーイングをします。
これをすることで、正しい発音やイントネーションを身につけることができます。
単語単体ではなく文単位での音読なので、文の途切れやリズムなども勉強することができます。
ぜひ音読することも行ってください。
最後に練習問題を解いて学習したことが身に付いたか確認します。
あまり1課に集中して完璧にやるのではなく、3周以上はすることを前提にどんどん読み進めていくほうがいいかと思います。
毎日1課やったとして、2周目の1課をするのは、26日後なので、ほとんど忘れていると思います。
もう一度やることで学習したことを思い出し、記憶に定着していきます。
どんどん周回していくのが僕が考えるベストな勉強法です。
最後に
このテキストは学習者のことを考えた素晴らしいテキストだと感じます。
すべての能力が鍛えられるので、「持っているテキストを1冊だけ残せ」といわれたら、間違いなくこのテキストを残すと思います。
本記事を読んで興味が持った方はレビューなども参考にして購入を検討してみてください。
今回は以上です。
最後にまで読んでいただきありがとうございます。